1. 冬になると気持ちが沈む理由
2. 冬の“気分の落ち込み”は珍しくない
3. 光と脳の関係 ― セロトニン・メラトニンのリズム
4. 自律神経の乱れと心の不調
5. 女性が特に影響を受けやすい理由
6. 冬に心を安定させるための生活の工夫
7. 専門的なケアが必要な場合とは
8. まとめ ― 「春を迎える心と身体を育てる」
なぜ冬になると気分が落ち込みやすくなるのか?
――季節とうつ、自律神経の深い関係
1.冬になると気持ちが沈む理由
「寒くなるとなんだか元気が出ない」「朝起きるのがつらい」「気づいたら気分が落ち込んでいる」――そんな声を、毎年冬になると多くの方から聞く方もいるでしょうし、そう実感している方もいるかもしれません。
それは、気温や日照時間の変化によって、私たちの心や身体は思っている以上に影響を受けているからなんです。特に、女性はホルモンバランスの変化や生活リズムの揺らぎに敏感で、自律神経が乱れやすい季節です。
実は「冬に気分が沈みやすい」というのは、単なる気の持ちようではなく、**脳と自律神経の働きに関係した自然な反応**なのです。
2.冬の“気分の落ち込み”は珍しくない
冬に一時的に気分が落ち込む症状は、「季節性うつ病(季節性情動障害:Seasonal Affective Disorder)」として知られています。
秋から冬にかけて発症し、春になると自然と回復していく傾向があります。
特徴的な症状には次のようなものがあります。
– 朝なかなか起きられない
– 甘いものや炭水化物を欲する
– 体が重だるく、やる気が出ない
– 人と会うのが面倒になる
– 何となく憂うつが続く
これらは“気のせい”ではなく、**太陽光不足や自律神経の乱れ**によって脳の神経伝達物質が変化することが原因です。
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3.光と脳の関係 ― セロトニン・メラトニンのリズム
冬は日照時間が短くなり、太陽の光を浴びる機会が減ります。
この「光の不足」が、脳内の“幸せホルモン”と呼ばれる**セロトニン**の分泌を低下させます。
セロトニンは、感情の安定・集中力・前向きな気持ちを支える神経伝達物質です。
日中に太陽の光を浴びることで活性化され、夜になると「眠りのホルモン」メラトニンへと変化します。
つまり、**朝の光がセロトニンを生み、夜の安眠をつくる**のです。
しかし、冬は日の出が遅く、外に出る時間が減るため、セロトニンが十分に分泌されにくくなります。
その結果、脳が「休息モード」から抜け出せず、だるさや無気力感が続くのです。
4.自律神経の乱れと心の不調
セロトニンは、実は「自律神経の司令塔」とも深く関わっています。
自律神経は交感神経(活動モード)と副交感神経(休息モード)のバランスを保ちながら、体温・血圧・内臓の働きを調整しています。
冬になると、外気温が下がることで体は「冷え」にさらされ、交感神経が過剰に働きやすくなります。
交感神経が優位な状態が続くと、次のような変化が起こります。
– 血流が悪くなり、手足が冷える
– 胃腸の働きが低下する
– 肩こりや頭痛が増える
– 心拍数が上がり、緊張しやすくなる
このように身体が常に緊張状態にあると、心も自然と不安定になっていきます。
「身体の冷え」から「心の冷え」へとつながっていく――それが冬の自律神経失調の特徴です。
5.女性が特に影響を受けやすい理由
女性は月経周期やホルモンの影響を強く受けるため、季節変化のストレスに敏感です。
冬は体が冷えることで血流が滞り、ホルモンの代謝にも影響を与えます。
また、女性はセロトニンの合成量が男性より少ないとされており、**もともと季節による気分の揺らぎが起こりやすい体質**です。
さらに、家事や育児、職場での責任などによって、冬場は外出も減りやすく、光不足が重なります。
こうした生活習慣の変化が、自律神経やホルモンバランスの乱れを加速させてしまうのです。
6.冬に心を安定させるための生活の工夫
では、冬の落ち込みを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
ポイントは、**「光」「温め」「リズム」**の3つです。
**① 朝の光を浴びる**
朝起きたらカーテンを開け、できるだけ早い時間に太陽の光を浴びましょう。
曇りの日でも外の明るさは室内照明よりずっと強く、セロトニンの活性化に役立ちます。
**② 体を温める**
首・手首・足首を冷やさないことが大切です。
白湯を飲む、湯船にしっかり浸かる、生姜や根菜類を食べるなど、内側からの温めも効果的です。
**③ 規則正しい生活リズムを意識する**
冬はつい夜更かしや寝坊をしてしまいがちですが、起床・食事・就寝のリズムを一定に保つことが、自律神経の安定につながります。
**④ 適度な運動を取り入れる**
軽いストレッチや散歩でも構いません。
特に午前中のウォーキングは、光を浴びながらセロトニンを増やす“脳の運動”としておすすめです。
**⑤ 心を緩める時間をつくる**
アロマ、音楽、深呼吸、気功など、リラックスできる方法を見つけてみましょう。
「リラックスする時間」を意識的に作ることで、副交感神経が働き、心の安定を取り戻しやすくなります。
7.専門的なケアが必要な場合とは
もし次のような状態が2週間以上続くようであれば、専門家に相談することをおすすめします。
– 眠れない、または寝ても疲れが取れない
– 食欲の変化(過食または食欲不振)
– 何をしても楽しく感じられない
– 涙もろくなった、焦りや不安が強い
– 身体の不調が続くのに検査では異常がない
こうした場合、単なる“冬の憂うつ”ではなく、**自律神経の乱れやうつ傾向**が進行している可能性があります。
早めにケアすることで、重症化を防ぎ、回復までの時間を短くすることができます。
当院では、自律神経の働きを整える施術や、気功・呼吸法などを組み合わせ、心身のバランスを取り戻すサポートを行っています。
「薬に頼りたくない」「自然な方法で改善したい」という方にも、安心してご相談いただけます。
8.「春を迎える心と身体を育てる」
冬の気分の落ち込みは、決して珍しいことではありません。
太陽光の減少、気温の低下、生活リズムの乱れ――そのすべてが自律神経と心の働きに影響を与えます。
けれども、正しい知識と少しの工夫で、冬を穏やかに過ごすことは十分に可能です。
体を温め、朝の光を感じ、リズムを整える――そんな日々の積み重ねが、春を迎える心と身体をやさしく育ててくれます。
もし一人では難しいと感じるときは、専門家の力を借りてください。
あなたの心と体には、まだ十分な「回復力」が残っています。
冬を乗り越えることは、次の季節に向けた大切な準備でもあるのです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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