子どもや家族が話し始めたとき、つい「いやいや、そんなことないよ!」と否定から返していませんか?
実は、このような否定的な返し方は相手の心に「自分はわかってもらえなかった」「受け入れてもらえなかった」というネガティブな印象を残してしまうことがあります。
日常会話で「でも」「だって」などの否定語を使うと、相手の脳は「自分は否定された!」と感じます。
また、過去に人から否定された体験は潜在意識に深い傷として残り、無意識のうちに否定的に反応してしまう原因にもなります。
否定から始まる言葉は、相手に安心感よりも不安や拒否感を抱かせてしまう可能性があるのです。
どうすればいいのかというとですね、肯定的な言葉を使うことです。
実際、子どもの脳は「肯定的な注目」を受けることで成長しやすいと言われています。
逆に否定的な言葉が多いと、子どもは「自分は否定されている!」と感じて自信を失いやすくなるそうです。
例えば、日常で「でも~」を繰り返し使っていると、聞くたびに子どもは「否定された」と感じて怒りやすくなる傾向があるとの見方もあります。
このように、否定から入る言葉は知らず知らず相手の心に負担をかけ、苦痛を与えるものです。
励まし言葉の思わぬ裏側
「励まそう」と思ってかけた言葉が、逆に心の距離を広げることもあります。
たとえば「がんばれ」「お前なら大丈夫」と言うと、一見ポジティブですが、相手は「お前はがんばっていない」「やることをやっていないぞ」と責められているように感じる危険があります。
『がんばれ』という言葉には、『君はまだやれていない』という意味を含んでしまう恐れがある」というのは、意外と知られていないことです。
落ち込んでいる相手には特に注意が必要です。
「心のバケツ」に泥水がいっぱい詰まっている状態では、いくら励ましの言葉をかけても受け取る余裕がありません。
まずは話を最後まで丁寧に聞いて、心の中のモヤモヤを全部吐き出してもらうことも時には大切です。
誰かに話を聞いてもらうだけで、相手の心は少しずつ軽くなっていきます。
その段階で初めて、相手が「話を聴いてくれて安心した」「少し楽になった」と感じてくれるのです。
共感・受け止めで心を開く
では、どうすれば相手の心が安心して開くのでしょうか?
それは「傾聴」をすることです。
傾聴とは「相手の言うことを否定せず、共感しながら全部受け止める」という聞き方です。
相手は自分の話が受け止められたと実感し、自然と安心感や信頼感が生まれます。
また、心理学には「無条件の肯定的関心」という考え方があります。
その本質は「相手の立場に立って共感的に理解し、あるがままの姿勢で受け止める」ことです。
相手がどんな感情や意見を持っていても、まずは「そう思っているんだね」「辛かったね」と共感し受け止めてあげるのです。
たとえば子どもが「悲しかった」と言ったら、「悲しい気持ちなんだね」と気持ちに寄り添います。
言葉で明確な共感を示すだけで、相手は「理解してもらえた」と感じて心を開きやすくなります。
実践のヒント:
- 相手の話を遮らないように気をつけ、「でも」「いや」ではなく「そうなんだ」「つらかったね」など相槌や共感の言葉を使ってみてください。
- 相手が話し終えるまでしっかり聞き、途中でアドバイスや励ましは控えます。まずは心の中のもやもやを吐き出してもらうことが大切です。
- 相手の気持ちをそのまま受け止める姿勢が大切になります。「うんうん、そう思ってるんだね」と言葉にすれば、相手は「受け止めてもらえた」と話しやすい環境づくりができます。
まとめ
日々の会話では、つい問題を解決したくなり否定や助言から入ってしまいがちです。
しかし、そうすると思わぬところで相手の心を遠ざけてしまいます。
まずは「うんうん」「そうなんだね」と共感することで、相手は安心して話し始めることができます。
受け止める姿勢を重ねると、お互いに気持ちが通じ合う温かいコミュニケーションが自然と育まれます。
優しい言葉と聞く姿勢が、みんなの笑顔と安心につながります。
もちろん、ご自身の笑顔と安心にも。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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