「学校に行きたいけど行けない」「朝起きられない」「何もする気が起きない」。
もしこんな気持ちを抱えている中学生が目の前にいたら、母親として、あなたはどんな言葉をかけるでしょうか?きっと、「どうにかしてあげたい」「少しでも楽になってほしい」と思うのではないでしょうか。でも、その一方で、何をどうしたらいいのか分からなくなり、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
中学生のうつとは?
うつ病やうつ状態は大人だけの問題ではありません。思春期である中学生にも起こることがあります。この時期は、心も体も大きく成長し、変化の多い時期です。その変化にうまく対応できなかったり、学校や家庭でのストレスが重なったりすると、心のエネルギーが減ってしまうことがあります。
うつ状態の主な症状としては、次のようなものがあります。
朝、なかなか起きられない
学校に行きたいと思っても体が動かない
食欲が落ちたり、逆に食べ過ぎたりする
頭痛や腹痛が頻繁に起こる
好きだったことに興味を持てなくなる
これらの症状が続く場合、子どもがうつ状態に陥っている可能性があります。
父親と母親の不仲が与える影響
家庭環境は、子どもの心に大きな影響を与えます。特に、父親と母親の関係が不仲な場合、子どもはその緊張感を敏感に感じ取ります。たとえ夫婦間で直接的な言い争いがなくても、冷たい態度や言葉の少なさから、子どもは「家族がうまくいっていない」と感じることがあります。
子どもは無意識のうちに、「自分が悪いからこんな状況になっているのかもしれない」と思い込んでしまうことがあります。このような思いが積み重なると、自己否定感や孤独感を抱き、心のエネルギーを削られる結果につながることがあります。
学校に行きたいけど行けない気持ち
「学校に行かなきゃ」と思いながらも、体が動かず、行けない。これを繰り返すうちに、「また今日も行けなかった」という自己嫌悪が強くなり、ますます学校が遠く感じてしまいます。
学校でのいじめや友人関係のトラブル、勉強のプレッシャーが原因となることもありますが、時には家庭内の問題が影響している場合もあります。中学生の子どもは、自分の気持ちや問題をうまく言葉にするのが難しいため、「なぜ行けないのか」が分からず、苦しんでいることが多いのです。
母親としてできること
薬を使わずに子どものうつを改善したいと考える場合、生活習慣の見直しや、親としての接し方を工夫することが大切です。
1. 優しく語りかける
子どもが不安やつらさを抱えているとき、母親の優しい声かけが大きな力になります。
「今日はどうだった?」と問い詰めない: 子どもが話したがらないときは、無理に聞き出そうとせず、「大丈夫だよ」「いつでも話したいときに聞くからね」と安心させてあげましょう。
「頑張らなくていいよ」と伝える: 「学校に行かなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」と思い詰めている子どもには、「無理しなくていい」「そのままで大丈夫」と伝えることが大切です。
2. 小さな成功体験をサポートする
子どもが少しでも前向きになれるよう、小さな目標を一緒に設定してみましょう。
朝、カーテンを開けて朝日を浴びる。
一緒に散歩に出かける。
好きな本を読む時間を作る。
これらの活動は、子どもが「できた!」という達成感を感じられるようにするための第一歩です。
3. 家庭環境を見直す
もし家庭内の不和が原因の一つであると感じた場合、夫婦間でのコミュニケーションを改善する努力をしてみましょう。完全に問題を解決するのは難しいかもしれませんが、子どもの前ではできるだけ穏やかな雰囲気を作ることを心がけましょう。
4. 生活リズムを整える
規則正しい生活は、自律神経を整えるためにも非常に重要です。
起床時間と就寝時間を一定にする: たとえ学校に行けなくても、朝起きる時間と夜寝る時間をできるだけ固定しましょう。
食事を楽しむ: 家族で食卓を囲む時間を大切にし、食事を楽しむことで心が安らぎます。
5. 子どもの気持ちを尊重する
子どもが「学校に行きたいけど行けない」と感じている場合、その気持ちを否定せず、「そう感じているんだね」と受け止めてあげましょう。子どもの気持ちに寄り添うことで、安心感を与えることができます。
引きこもりの子どもに寄り添う方法
引きこもりの子どもに対して、無理やり外に連れ出そうとするのは逆効果です。まずは、子どものペースを尊重しながら、少しずつ外の世界とつながるきっかけを作りましょう。
オンライン学習や家庭学習: 学校に通えない場合でも、自宅で学べる環境を整えることで、安心して学びを続けることができます。
好きなことを応援する: 子どもが夢中になれる趣味や活動を一緒に見つけることで、自己肯定感を高めることができます。
家族の絆を深める時間を作る: 一緒に料理をしたり、映画を観たり、子どもが安心して楽しめる時間を共有しましょう。
おわりに
母親として、子どものうつや不登校に向き合うことは、とてもつらいことかもしれません。しかし、何より大切なのは、「あなたの味方でいるよ」というメッセージを伝え続けることです。
焦らず、子どものペースに寄り添いながら、一緒に小さな一歩を踏み出していきましょう。そして、専門家の力を借りることも必要です。母親の優しい声かけと見守る姿勢が、きっと子どもの心の支えになるはずです。
本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。