起立性調節障害と自律神経失調症

自律神経失調症と起立性調節障害との関係

自律神経失調症と起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation, OD)は、どちらも自律神経系の不調が関係しており、特に思春期の子どもたちに多く見られる症状です。自律神経失調症は交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで多様な身体症状を引き起こします。一方、起立性調節障害は、体位変化に伴う血圧や心拍数の調整がうまくいかないために、立ちくらみや倦怠感などの症状が現れます。両者には以下のような共通点があります。

共通点

自律神経の不調: 交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで症状が現れる。

ストレスの影響: 心理的ストレスが原因で発症や悪化する場合がある。

診断と治療の難しさ: 症状が多岐にわたるため、特定の疾患として診断されにくい。

起立性調節障害の特徴

朝起きるのが困難。

立ち上がった際にめまいやふらつきを感じる。

頭痛や胃腸不調を伴うことが多い。

自律神経失調症との関係

起立性調節障害は、自律神経失調症の一部とみなされることもあり、特に睡眠不足や心理的負荷が引き金となることが多いです。これらの症状は成長期の子どもたちに多く見られ、学校生活や社会生活に大きな影響を与えます。

子どもの不登校の原因

不登校はさまざまな要因が絡み合って発生します。心理的要因、身体的要因、環境的要因の3つに分類することができます。

1. 心理的要因

ストレス: 学校での友人関係の問題や、いじめが大きな原因となることがあります。

完璧主義傾向: 学業や部活動に対するプレッシャーから、失敗を恐れる気持ちが強くなる。

2. 身体的要因

起立性調節障害や自律神経失調症: 朝起きられない、疲れやすいといった症状が学校生活を難しくします。

発達障害: 注意欠陥・多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)などの診断を受けている子どもは、不登校になりやすい傾向があります。

3. 環境的要因

家庭環境の影響: 親子関係の問題や家庭内のトラブルが原因となる場合があります。

学校環境の不適応: 過度な競争や教師との関係性の問題が影響します。

子どもの不登校のデータ

文部科学省の調査(2023年)によると、不登校児童生徒の数は以下の通りです。

小学生: 約1.5万人

中学生: 約14万人

不登校の割合は増加傾向にあり、特に中学生においてその傾向が顕著です。また、不登校のきっかけとしては次のようなデータが挙げられています。

要因

割合

友人関係の問題

35%

学業不振

25%

身体的不調

20%

家庭環境

15%

このように、複数の要因が絡み合って不登校が発生していることがわかります。

不登校の悩みを持つ子どもの傾向

不登校に悩む子どもには、以下のような共通する傾向が見られます。

1. 自己評価が低い

失敗や否定的な評価を受けることに対する恐怖心が強く、自分に自信を持てない子どもが多いです。

2. 感受性が高い

いわゆるHSP(Highly Sensitive Person)の傾向を持つ子どもは、環境や人間関係からの影響を強く受けやすく、不登校になるリスクが高いです。

3. 規則正しい生活が難しい

睡眠リズムが崩れていることが多く、起床時間や食事時間が不規則になる傾向があります。これがさらに症状を悪化させる悪循環に繋がります。

4. 社会的孤立感が強い

学校に行かないことへの罪悪感や周囲の目を気にすることで、さらに孤立感が深まる場合があります。

結論

自律神経失調症や起立性調節障害は、不登校の原因の一端を担う重要な要素です。特に、これらの症状を抱える子どもたちは、心理的・身体的負荷によって学校生活に適応することが難しくなります。また、家庭や学校、社会全体でのサポートが必要不可欠です。不登校の背景にある複雑な要因を理解し、適切な支援を提供することで、子どもたちが再び安心して学校生活を送れる環境を作り出すことが求められます。

本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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