腸と心・脳のつながり

過敏性腸症候群(IBS)は、大腸など消化管に炎症や潰瘍などの異常がないにもかかわらず、腹痛や不快感を伴う下痢・便秘などの便通異常を繰り返す機能性の腸疾患です kawasaki-giclinic.jp。症状は排便で軽減する場合が多い一方、強いストレスや緊張下で悪化することが知られており kompas.hosp.keio.ac.jp、心身の状態の影響を受けやすいのが特徴です。IBS自体は命にかかわる病気ではありませんが、例えば満員電車の中で急に便意を催してしまったり、大事な会議中にトイレに行きたくなったりすると、日常生活の質が著しく低下します kenko.sawai.co.jp。そのため、患者さんは強い不安や苦痛を感じることがあります。

ストレスと身体への影響

精神的なストレスが強い状況では、腸の働きが敏感に反応します。実際、通勤ラッシュや試験前などの緊張の多い場面で「急に腹痛が起きて下痢や便秘に悩まされた」という報告が多く、ストレスが強いほどIBS症状も現れやすいと考えられています kawasaki-giclinic.jp。また、痛みや不快感に過敏になっているため、ちょっとした出来事でも腸が反応して腹痛や便通異常を起こしやすくなります kawasaki-giclinic.jp。例えば、「試験前にお腹がキリキリ痛くなりトイレに駆け込んだ」「大事な会議の前に急にお腹が張った」という経験はないでしょうか?これらはストレスによって自律神経のバランスが乱れ、腸の動きが普段と違った反応をしたためと考えられます kawasaki-giclinic.jp taisho-direct.jp

私たちの身体には緊張・興奮時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経があり、これらが腸の蠕動運動(ぜんどううんどう:腸が食べ物を押し出す動き)を調節しています。たとえば、大正製薬の解説でも「交感神経優位のときは蠕動運動が停滞し、リラックス時の副交感神経優位のときには蠕動運動が活発になる」と説明されています taisho-direct.jp。緊張や不安を感じると交感神経が優位になり、消化管の動きが鈍くなったり不規則になったりするため、お腹が痛くなったり下痢・便秘が起きたりするのです。日常の例で言うと、大事なプレゼン前にお腹が痛くなったり、お子さんが運動会で緊張すると試合前にお通じが悪くなる、などがこれにあたります。

自律神経とIBSの関係

IBSでは、自律神経のアンバランスが大きく関わっていると考えられています。かわさき消化器内科クリニックによれば、IBSは「精神的なストレスや自律神経のバランスの乱れによって腸の働きに異常が生じ、便秘や下痢などの排便異常を引き起こす病気」であると説明されています kawasaki-giclinic.jp。胃腸には交感神経と副交感神経が網の目のように分布し、交感神経は腸の動きを抑制し、副交感神経は腸の動きを促進します kawasaki-giclinic.jp。平常時はこの二つがバランスを取り合って腸の働きを整えていますが、ストレスや疲労などでバランスが乱れると腸の運動が過剰になったり逆に停滞したりして、下痢や便秘といった症状が起こりやすくなります kawasaki-giclinic.jp

さらに、ストレスが繰り返し加わることで腸自体が「知覚過敏」の状態になりやすくなります。ある研究でも、ストレスホルモンが分泌されると腸の動きがおかしくなり、同じような症状を何度も起こすことで腸が敏感になり、ほんの少しの痛みや動きでも強く反応してしまう悪循環が生じると報告されています kenko.sawai.co.jp。これにより、些細なストレスで腹痛が誘発されたり、慢性的な腹痛がなかなか治まらなかったりすることがあります。

大人と子どもの発症傾向・男女差

IBSは年齢を問わず発症する可能性があります。慶應義塾大学病院によると、日本人では成人の約10~15%がIBSと推定されています kompas.hosp.keio.ac.jp。20~40代に多く見られ、高齢になるほど減少する傾向があります。調査によれば、若年層でも中学生の約2~5%、高校生の約5~9%にIBSがみられるとされています jstage.jst.go.jp。子ども・思春期では男女差はほとんどなく、男女とも同じくらいの割合でIBSが報告されています jstage.jst.go.jp

成人では一般に女性に多いとされていますが、便通異常のタイプには男女差があります kenko.sawai.co.jp。男性では腹痛や不快感を伴う下痢型IBSが多く、女性では便秘が主体となる便秘型IBSが多い傾向にあります kenko.sawai.co.jp。そのため、男性はストレス時に下痢しやすく、女性は便秘になりやすいなど、症状の現れ方に違いがみられます。なお、国内の調査ではIBS患者は7人に1人とされ、特に思春期の女性や40歳代男性に多いという報告もあります toshoku-kokuho.or.jp。いずれにしても、性別よりも個人のストレス要因や生活環境が症状に強く影響する場合が多いと考えられています。

腸と心・脳のつながり

近年の研究で、脳と腸は双方向に強く影響し合っていることが明らかになっています。腸には脳に次ぐ数の神経細胞が集まっており、「腸は第二の脳」とも呼ばれます taisho-direct.jp。実際、腸の状態は脳にも伝わり、逆に脳が受けたストレスは自律神経を通じて腸に伝達されます taisho-direct.jp。このような脳と腸の情報伝達ネットワークを「腸脳相関」と呼び、感情やストレスが腸の働きに影響を及ぼすことが知られています taisho-direct.jp

また、腸内環境(腸内細菌叢)と精神面との関連も注目されています。腸内細菌は免疫や内分泌、自律神経系を介して脳と密接につながっており、その多様性や組成がうつ病や不安障害などの精神状態に影響することが報告されています resou.osaka-u.ac.jp jstage.jst.go.jp。たとえば、うつ病は慢性的なストレスが誘因となることが多い疾患ですが、腸内細菌とストレス反応の間に双方向の関連が示唆されています jstage.jst.go.jp。動物実験では腸内細菌を整えるプロバイオティクスがストレスによるうつ様行動を和らげる結果も出ており、腸と心は深く結びついていることがわかってきています resou.osaka-u.ac.jp jstage.jst.go.jp

一義流気功と音楽療法で自律神経を整えましょう

当院では、一義流気功と音楽療法を通じて自律神経のバランスを整え、心身の緊張を和らげる施術を行っています。楽器の周波数、精神に対する気の治療によりリラックスした状態を作り、脳や腸の機能を正常に戻していきます。実際に施術を受けた方からは「お腹周りの力が抜けて楽になった」「ぐっすり眠れるようになった」というお声もいただいています。

世界的には、痛みやストレスに対して鍼灸・瞑想・マッサージ・太極拳・ヨガ・気功などの補完療法が症状緩和に役立つ可能性が報告されています ejim.mhlw.go.jp。IBSは腹痛や便通異常を伴う慢性的な症状が特徴ですが、体と心をリラックスさせるこうした療法は症状の改善につながると期待されています。自律神経療法により自律神経の交感・副交感のバランスが整うと、緊張していた腸の働きが落ち着き、下痢や便秘が起きにくくなることが期待できます。

過敏性腸症候群は完治が難しい場合もありますが、生活習慣の改善ストレスコントロール、精神の治療で根本改善を目指せる疾患です。十分な休息やバランスのよい食事、適度な運動に加えて、精神の負荷を減らし、心身をリラックスさせることで、つらい症状がっ消失していきます。。体と心のつながりを意識しながら、焦らず少しずつ改善を目指しましょう。当院では患者様一人ひとりの状態に合わせた優しい施術とセルフケアのアドバイスを行っていますので、不安なことやわからないことがあればどうぞお気軽にご相談ください。

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